
履歴書が手書きじゃないから落とすことってあるの?パソコンとの比較や使い分けのコツを解説
「履歴書が手書きじゃないから落ちたのかも」と不安に感じる方もいるかもしれません。
近年はパソコンで履歴書を作成する人も増えており、手書きとどちらを選ぶべきか迷うこともあるでしょう。
この記事では、手書きとパソコン、それぞれの履歴書作成方法の特徴や、メリット・デメリット、使い分けのポイントをわかりやすく解説します。
履歴書の作成方法で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
履歴書の作成は手書きかパソコン、どちらがいいのか?
履歴書の作成方法は、手書きとパソコンのどちらが適しているのでしょうか。
ここでは、企業の考え方や選考への影響、注意点について解説します。
採用担当者はどう考えている?
企業の採用担当者553人にアンケートを実施した結果、約7割が「パソコンで作成された履歴書が望ましい」と回答しました。
対して、手書きを好む層は2割程度にとどまり、残りの1割は「どちらでも構わない」としています。
この調査から、多くの企業ではパソコンでの作成を十分に受け入れていることがうかがえます。
手書きでもパソコンでも選考への影響はほとんどない
履歴書が手書きかパソコンかで、選考結果に大きな差が生じることはほとんどありません。
採用担当者は形式よりも、学歴や職歴、資格、そしてマナー面を重視して内容を確認しています。
作成方法によって印象が変わることはあるものの、それだけで合否が決まることは基本的に少ないと考えられます。
大切なのは、自分にとって作成しやすい方法を選び、履歴書を正確かつ丁寧に仕上げることです。
指定がある場合は従う
履歴書は手書き、パソコンのどちらでも作成できますが、企業から作成方法やフォーマットの指定がある場合は、必ずその指示に従うことが基本です。
指定に従わないと、書類選考の段階でマイナス評価につながる可能性もあるため、募集要項や案内文をよく確認しましょう。
パソコンで履歴書を作成するメリット・デメリット

履歴書をパソコンで作成する人が増えていますが、注意したい点もあります。
ここでは、パソコンで作成する際のメリットとデメリットを紹介します。
パソコンで作成するメリット
パソコンで履歴書を作成することは、さまざまなメリットがあります。
効率よく作成できる
パソコンで履歴書を作成すると、入力や修正が簡単にできるため、作業効率が大きく向上します。
特に氏名や住所、学歴、職歴など毎回変わらない項目は、テンプレートとして活用すれば何度でも使い回せます。
複数の企業に応募する場合や、短期間で準備を進めたいときには、パソコン作成の利便性が大きな助けとなるでしょう。
見直し・改善がしやすい
パソコンで履歴書を作成すれば、データとして手元に残るため、過去の内容を簡単に振り返ることができます。
応募する企業ごとに志望動機や自己PRの表現を見直し、より効果的な内容に書き換えることも簡単です。
手書きのように提出後に内容が手元に残らないという心配もなく、効率的かつ戦略的な履歴書の改善が可能となります。
パソコンスキルのアピールにもつながる
履歴書をWordやExcelで整えて作成すれば、パソコンスキルを自然にアピールすることができます。
特に事務職などのPC操作が重視される職種では、基本的な操作スキルがあることを伝える材料になります。
読みやすく整った履歴書を提出することで、丁寧さや作業の正確さも印象づけられるでしょう。
パソコンで作成するデメリット
パソコンで履歴書を作成することは多くのメリットがありますが、デメリットもいくつか存在します。
個性や人柄が伝わりにくい
パソコンで作成した履歴書は整った見た目で読みやすい反面、手書きのように文字から個性が伝わりにくいという側面もあります。
そのため、文章の内容や表現の工夫で、自分らしさや意欲を伝えることがより重要になります。
誤字や入力ミスに気づきにくい
パソコンで履歴書を作成する場合、誤字脱字や入力ミスに気づきにくいことがあります。
特に、複数の企業に履歴書を使い回す場合は、前の企業名や志望動機を誤って残してしまうリスクにも注意が必要です。
手書きに比べて簡単に編集できる分、確認を怠ると印象を損ねる可能性があるため、提出前の丁寧な見直しが欠かせません。
「手抜き」と見なされることもある
パソコンで作成した履歴書に対して、「手間をかけていない」と受け取る採用担当者が一部にいるのも事実です。
ただし、現在はパソコン作成が主流であり、ビジネスの現場でも文書は基本的にデジタルでやりとりされています。
そのため、過度に気にする必要はないでしょう。
手書きで履歴書を作成するメリット・デメリット

ここでは、手書きで履歴書を作成する際のメリットとデメリットをわかりやすく紹介します。
手書きで作成するメリット
手書きの履歴書には、パソコン作成にはない独自のメリットがあります。
丁寧な印象を与えやすい
手書きの履歴書は、1枚ずつ丁寧に仕上げる工程を経ているため、誠実さやまじめな姿勢が自然と伝わりやすくなります。
見た目にも整っていれば、細やかな配慮ができる人という印象を与えやすく、採用担当者の目にも好印象に映ります。
熱意が伝わりやすい
手書きは時間や労力がかかるため、応募に対する真剣さや気持ちの強さを伝える手段として効果的です。
特に志望動機や自己PR欄が丁寧に書き込まれていると、「しっかり考えて書いたのだな」と熱意が伝わりやすくなるでしょう。
文字から人柄を読み取ってもらえる
手書きの履歴書は、文字の書き方から人柄が伝わるという点も特長です。
たとえば、文字が丁寧で読みやすければ几帳面な印象を持たれ、美しい字からは落ち着きや誠実さを感じてもらえることがあります。
自身の字に自信がある方にとっては、強みを伝える手段にもなり得るでしょう。
手書きで作成するデメリット
手書きの履歴書には良さもありますが、いくつかのデメリットも考慮する必要があります。
時間と手間がかかる
手書きで履歴書を作成する場合、1枚仕上げるだけでも時間と労力がかかります。
間違えた箇所があれば最初から書き直さなければならず、作業の負担は大きくなりがちです。
複数の企業に応募する場合は、より多くの時間が必要になります。
字によっては印象が悪くなることもある
手書きには人柄や真面目な姿勢が表れるというメリットがありますが、文字の乱れや強い癖があると「読みづらい」「雑な印象がある」と受け取られる可能性もあります。
丁寧に書いたつもりでも、字の見た目によってはマイナス評価につながることもあるため注意が必要です。
企業によっては手書きが逆効果になることもある
一般的に手書きの履歴書は丁寧な印象を与えることが多いですが、パソコンの使用が当たり前となっている企業では、逆効果になる場合もあります。
たとえば、ベンチャー企業やコンサルティング業界、IT業界などスピード感やデジタルスキルが重視される職場では、「パソコン操作に不安があるのでは」と懸念されることもあるため注意が必要です。
パソコンで履歴書を作成した方が良いケース

応募方法や自分の字の得意・不得意によっては、パソコンでの作成が適している場合もあります。
ここでは、パソコン作成が適している主なケースを紹介します。
Webエントリーやメールで提出する場合
データでの提出が求められる場合は、パソコンで作成した履歴書が適しています。
特にIT業界やクリエイティブ系など、デジタルスキルが重視される業界では、パソコン作成が前提となっているケースもあります。
手書きの履歴書をスキャンして送ると、「パソコン操作が苦手なのでは」と懸念される恐れもあるため注意が必要です。
きれいな字を書くのが苦手な場合
履歴書は応募者の第一印象に大きく影響する重要な書類です。
字に自信がない場合は、パソコンで作成することで視認性が高まり、内容をしっかり伝えることができます。
読みやすさを重視するなら、パソコンでの作成が安心でしょう。
手書きで履歴書を作成した方が良いケース
企業の方針や業界の特性によっては、パソコンよりも手書きの履歴書が好まれる場合があります。
ここでは、手書きで履歴書を提出した方が良い主なケースを紹介します。
伝統や形式を重んじる企業の場合
老舗や保守的な業界では、長く受け継がれてきた文化や価値観を重んじる傾向があり、手書きの履歴書の方が好まれることがあります。
誠実さや人柄が文字に表れる点が評価されやすく、字を書く機会がある職種では、文字の丁寧さや美しさもアピールにつながるでしょう。
本気度や意欲を重視する企業の場合
誠意や熱意を重視する企業では、手書きの履歴書が好まれることがあります。
丁寧に書かれた文章からは、時間をかけて準備した努力や「この会社で働きたい」という強い気持ちを感じさせるため、印刷された書類にはない温かみや真心が伝わると受け取られることがあります。
パソコンで履歴書を作成する際の注意点

パソコンで履歴書を作成する際は、便利な反面、注意すべき点もあります。
ここでは、よくあるミスを防ぐための注意点を紹介します。
既存の履歴書フォーマットを活用する
履歴書を作成する際は、既存のフォーマットを活用すると便利です。
必要な項目がそろっており、書き漏れや体裁の乱れを防げるほか、自作よりも手間を省けて、読みやすく仕上がる点もメリットです。
また、パソコンで作成する場合は、WordやExcel形式のままではなく、PDFに変換して提出しましょう。
レイアウト崩れや改ざん防止のためにも、PDF形式が推奨されます。
内容の使い回しは避ける
パソコンで履歴書を作成すると、コピー&ペーストがしやすく、複数の企業へ応募する際にも対応しやすくなります。
しかし、志望動機や自己PRの内容がすべて同じだと、採用担当者に「使い回しだな」と見抜かれ、応募者の熱意が感じられないと判断されるおそれがあります。
応募する企業の特徴や募集内容に応じて、履歴書の内容を適切に調整することが大切です。
フォントと文字サイズは統一する
履歴書は読みやすさが重要なため、フォントや文字サイズを統一して整った印象に仕上げることが大切です。
明朝体のフォントを使い、本文は10.5〜11ポイント、氏名などの枠が大きい項目では13〜18ポイントに設定することで、視認性とバランスの取れたレイアウトになります。
手書きで履歴書を作成する際の注意点
手書きで履歴書を作成する際は、使用する筆記具や記入の仕方にも細かな配慮が求められます。
黒のボールペンで記入する
手書きの履歴書を作成する際は、黒のボールペンや万年筆を使用するのが基本です。
シャーペンや鉛筆での記入は消えやすく、正式な書類としての信頼性に欠けるため避けましょう。
また、消えるインクのペンは、熱や摩擦で文字が消えてしまう可能性があり、重要な書類には不向きです。
万が一のトラブルを防ぐためにも、しっかりとした筆記具で記入することが大切です。
書き間違えた場合は一から書き直す
履歴書を書き間違えた場合は、修正ペンや修正テープを使わず、一から書き直すのが基本です。
履歴書は公的な書類として扱われるため、訂正跡があるとマナーに欠けると受け取られる可能性があります。
整った書面で提出することが、細部まで気を配れる人物であるという印象につながるでしょう。
余白を残し過ぎないようにする
履歴書の志望動機や自己PR欄では、余白が目立ちすぎないように注意が必要です。
文章量が少ないと、「志望度が低いのでは」「伝える内容がないのかも」といった印象を与えることがあります。
ただし、文字を詰め込みすぎると読みにくくなるため注意しましょう。
一般的には、枠の8割以上を目安に、適度な文字の大きさと行間でバランスよく記入することが望ましいでしょう。
履歴書を手書きにこだわる企業はおかしい?

「今どき履歴書を手書きで提出させるなんておかしい」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、手書き指定には、企業の価値観や採用に対する考え方が反映されていることもあります。
ここでは、手書き指定を求める企業の傾向や、その理由について解説します。
手書き指定は古い企業体質のサインかもしれない
現在でも「履歴書は手書きで提出するべき」とする企業は一定数存在します。
こうした企業では、紙文化や精神論を重視する傾向があり、形式や礼儀を強く求められるケースもあります。
インターネット上では、履歴書の手書き指定に対して疑問を持つ声も見られますが、企業ごとの方針や背景を理解したうえで、自分に合っているかどうかを判断することが大切です。
手書き指定は本気度を測るための手段ともいえる
手書きの履歴書を求める背景には、応募者の本気度や誠実さを重視する採用方針が含まれることもあります。
手書き指定をすることで応募者数は減る傾向にありますが、その分、応募に対する真剣な姿勢を持つ人が集まりやすくなると考えられています。
手間のかかる方法にもかかわらず、それに応じて応募してくる人は意欲が高いと判断されやすく、企業側もその姿勢を採用判断の一つとして重視しているのかもしれません。
企業の価値観と合うか見極めることが重要
手書きの履歴書を求める企業に対して、「時代遅れ」と感じるか、「採用に真剣な証」と受け取るかは、人によって異なります。
重要なのは、その企業の価値観や採用姿勢が自分と合っているかをしっかり見極めることです。
手書き指定の有無だけにとらわれず、社風や働き方なども含めて総合的に判断することで、後悔のない選択につながるでしょう。
履歴書の作成方法や企業の見極め方に迷ったら、転職のプロに相談するのも一つの方法です。
パソコンで作成した履歴書を送る際に気をつけたいポイント
パソコンで作成した履歴書を送る際は、送付方法ごとに注意すべき点があります。
印刷して郵送する場合
履歴書を印刷して郵送する場合は、上質紙や履歴書専用紙を使うのが望ましく、写真は印刷せずに別途貼り付けます。
封筒は白色で、履歴書を折らずに入れられるサイズを選びましょう。
クリアファイルに挟んでから封入すると、郵送中の破損や濡れを防げて安心です。
また、郵送は必ず郵便局の窓口で行うようにしましょう。
料金不足や過剰な切手貼付による印象の悪化を防ぐためにも、正確な送料で送付することが大切です。
データで送る場合
履歴書をデータで送信する場合、特に指定がなければPDF形式で提出するのがおすすめです。
WordやExcelで作成したまま送ると、受け取った側のパソコン環境によってレイアウトが崩れたり、意図せず内容が書き換わってしまうことがあるためです。
また、ファイル名には送信日と自分の名前を入れておくと親切です。
「20251201_(氏名)_履歴書.pdf」とすれば、採用担当者が管理しやすく、自分自身も送信日を把握しやすくなります。
まとめ:企業に応じて手書きとパソコンを使い分けよう
履歴書が手書きかパソコンかによって、選考に大きな差が生じることはほとんどありません。
それぞれに良さがあり、手書きは丁寧さや誠実さを伝えやすく、パソコンは読みやすさや効率の良さが魅力です。
大切なのは、企業の方針や雰囲気をふまえたうえで、自分らしさを伝えられる方法を選ぶこと。
形式にとらわれすぎず、内容にしっかり向き合い、自信を持って応募しましょう。