転職活動の基本的な流れと必要書類!事前準備や利用可能な制度を紹介

転職活動の基本的な流れと必要書類!事前準備や利用可能な制度を紹介

更新日:2024.10.01

転職活動を始める際に、どのように進めていけば良いのか悩むことはよくあります。
何から始め、どのように進めれば効率よく転職活動を成功させられるのか、不安に感じる方も多いでしょう。
この記事では、転職活動の流れや進め方を具体的に解説しています
事前準備から内定、退職、入社に至るまでのステップ、必要書類なども紹介してますので、是非参考にしてください。

転職活動の一般的な流れ・スケジュール

転職活動を何から始めたらよいのか分からない方は、まずは転職活動の流れというのを把握しましょう。
転職活動は一般的に以下の4つのSTEPに分けることができます。

転職の一般的な流れ

転職準備を始め、求人を探し、内定を獲得し、入社をするというのが流れとなります。
転職を複雑なものと捉える方がいますが、流れやスケジュールは学校卒業後に就職する流れと基本的に変わりません
複雑化させているのは転職による「環境の変化」や「書類関係」です。
環境の変化に関しては企業研究などを詳細に行うことで回避可能で、書類関係は企業側から提出を求められるものを用意すれば良く、言われてから用意しても間に合うものばかりです。
ここからは、転職活動の詳細な流れ・スケジュールを解説していきます。
転職の際に用意をする書類については後述していますので、そちらを参考にしてください。

①転職活動の準備を始める

転職活動の準備は何から始めたら良いですかと質問をいただくことがあります。
その際にお伝えしているのは「自己分析」と「転職先はどこが良いかを考える」の2つです
この2つをしておくことで、条件に合う求人を見つけた際にすぐに応募することができます。
まずは、自己分析としてご自身のキャリアの棚卸し、強みやスキル、経験などを書き出してみることから始めてみましょう。
その後に、それらのスキルや経験を活かしてキャリアアップするのか、それとも全く別の業界や職種へキャリアチェンジするのかを考えます。
どの業界がオススメかを知りたい方は以下の記事で詳細に書いていますので、こちらを参考にしてください。

②求人応募や書類作成をする

自己分析や転職先探しを始めて良い求人を見つけたら、書類を作成して応募をしましょう。
書類作成のコツとしては、応募した企業が「なぜ求人を出しているのか」を意識した上で、強みやスキルを記載することです
企業によって「どういう人物がほしいか」は異なるため、どのポジションを募集しているのか、業界の動き、今後どのように事業展開していくのかなどを考える必要があります。
企業研究が忙しくて出来ない、自信がないという方は転職エージェントを活用してみるのも1つの手です。
相談だけしてみたいという方や、企業や業界の情報だけ知りたいという方にもオススメできるので是非活用してみてください。

求人への応募は早さと数が重要

企業によっては一定期間様子見を行って採用をするところもあれば、必要な人数が集まれば採用活動をすぐに終了するところもあります。
そのため、転職の成功確率を高めたい方は、可能な限り早く求人に応募をすると良いでしょう
また、求人へ応募する数も重要です。
転職が成功するまでの平均的な求人応募数は8〜10社で、転職活動は1社につき約1ヶ月程度かかります。
1社ずつ受けていくと半年から一年間は転職活動をし続けることになるため、精神的にも体力的にもきついです。
しかし、たくさんの求人に応募すればよいということでもありません。
現実的に同時に応募できる会社数を見極めて、転職活動を進めていきましょう。

③面接などの採用試験を受ける

書類選考を通過することができれば、次は面接や筆記試験などの採用試験が始まります。
筆記試験は行わない企業もありますが、面接は1〜3回程度行われるのが一般的です。
人事面接、役員面接と段階によって対策方法が異なるため、面接対策をしっかりと行って採用試験に望みましょう
ただ、複数の企業へ応募しているケースだと、応募した会社ごとに面接対策をしなければならないため、対策が間に合わない方もいると思います。
その場合、転職エージェントに面接対策を依頼すると解決できるかもしれません。
エージェントは企業情報を詳細に知っているため、「どういった対策をすれば面接に通過しやすいか」といったアドバイスをすることができます。
面接が苦手な方や志望理由にあまり自信がないという方は、本番前の練習の機会として転職エージェントを活用してみてはいかがでしょうか。

④退職手続きや入社準備を始める

企業から内定を獲得した後も転職活動は続きます。
内定獲得後にするべきことは以下の3つです。

  • 入社意思を伝える
  • 退職手続き
  • 仕事内容の引き継ぎ

内定通知書に記載されている労働条件を確認し、それで問題なければ内定承諾を行います。
入社意思を企業へ伝える期限はおよそ1週間以内とされているため、その期間内で回答をしましょう
ただし、複数の会社へ応募をしているとすぐに回答ができないケースもあると思います。
こういったケースでは、志望度が高い企業の最終面接日を中心に、スケジュールを調整しておく必要があるため注意が必要です。

面接での入社希望日の答え方

面接で「いつから弊社で働けますか」と聞かれた際、どのように答えるのが正解でしょうか。
既に離職をしている方であれば「指定された日から働くことができます」という回答が適切です。
一方で、働きながら転職活動を行っている方だと、指定された日に入社をするのは難しいでしょう。
内定を獲得した後も退職手続きや引き継ぎ期間があるため、入社できるのは2〜3ヶ月先のことになると思います。
こういったケースでは「現在の職場の引き継ぎなどがありますので、入社できるのは3ヶ月後になります」や「退職手続きを進めていますので、4ヶ月後には御社で働き始めることができます」といった回答の仕方が良いでしょう。
決して曖昧な回答や、他社の選考を待っていると伝えることはしないように気をつけてください

退職時や入社時の必要書類や必要物一覧

退職時や入社時の必要書類や必要物一覧

転職活動で手続きや書類関係が不安だという方は多いのではないでしょうか。
必要な書類の出し忘れや、手続きをし忘れを心配するのは責任感の強い社会人だからこそ。
一般的に書類や手続きは企業から説明されるため、事前に心配する必要はありません
それでも、事前に知っておけば不安や心配を和らげることができます。

退職時に返却をするもの一覧

内定を獲得した後に退職手続きを進めていきますが、退職時には「退職後に使えないもの」を返すことが一般的です。
また、守秘義務があるものも返却、もしくは削除をすることになるので覚えておきましょう

  • 身分証明書
  • 社員証
  • 社章
  • 名刺
  • 制服
  • 健康保険被保険者証
  • 作成した書類(守秘義務のあるもの)
  • 通勤定期券

顧客リストやデータなども全て返却をすることになります。
情報漏洩をしてしまうと大問題になるため、返却するべきかどうか悩むものがあれば、退職時に聞いてみると良いでしょう。

退職時に受け取るもの一覧

会社に返却するものもあれば、受け取るものもあります。
転職先で必要になる書類もあるため、退職時は以下のものを受け取ったかを確認しましょう。

  • 離職票
  • 雇用保険被保険者証
  • 源泉徴収票
  • 年金手帳
  • 退職証明証

源泉徴収票や離職票は手続きの関係上、すぐにはもらえないため、後日会社から郵送されることになります
離職票はすぐに転職する場合は必要ありませんが、職歴を証明する書類になるため受け取ったら保管をしておきましょう。

転職先に提出をするもの一覧

転職先に提出するものは、退職時よりも多くなる傾向があります。
そのため、事前にどのようなものを提出するのかを把握しておき、提出時に焦らずに対応するようにしましょう。
今回は提出するものを2つのケースに分けてまとめたので、参考にしてください。

項目 書類
提出する書類 ・年金手帳
・源泉徴収票
・雇用保険被保険者証
・健康保険被扶養者異動届
・扶養控除等申告書
必要に応じて提出する書類 ・身元保証書
・卒業証明書
・健康診断書
・資格証明書
・雇用契約書
・入社承諾書
・従業員調書

源泉徴収票をもらい忘れた場合や紛失してしまった場合は、前職の経理に問い合わせると再発行ができるので心配ありません。
多くの提出書類は企業側に提出を求められた後に用意をしても間に合いますが、健康診断証や卒業証明書などは取得までに時間がかかってしまいます
もし、時間がかかってしまうケースなどは遅れてしまう旨を伝えて、指定された期限内に用意をするようにしましょう。

転職の際に知っておきたい制度

転職の際に知っておきたい制度

転職する際に「利用できる制度などはありますか」という質問をよくいただきます。
利用できる制度は複数ありますが、どれも申請をしなければ受けられない制度です
受け取れる条件も合わせて解説しますので、気になる方は参考にしてください。

失業給付金

労働者が失業した場合及び雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に、必要な給付を行うとともに、その生活及び雇用の安定を図るための給付です。

引用元:https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-roudoukyoku/var/rev0/0119/0671/13syou.pdf

上記は厚生労働省から引用した文章になります。
給付条件や給付期間等に関しては、以下の通りです。

項目 内容
給付条件 ・労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、職業に就くことができない状態にある人
・離職の日以前2年間の被保険者期間が通算し、12か月以上ある人
給付期間・給付日数
※被保険者であった期間
10年未満:90日
10年以上〜20年未満:120日
20年以上:150日

給付を受けられる日数に関しては、離職理由や被保険者であった期間などにもよって異なります
給付金額に関しても下限額と上限額は年齢ごとに金額が定められているため、詳細を知りたい方は厚生労働省のHPを参照してください。

再就職手当

基本手当の受給資格がある方が安定した職業に就いた場合(雇用保険の被保険者となる場合や、事業主となって雇用保険の被保険者を雇用する場合など)に基本手当の支給残日数(就職日の前日までの失業の認定を受けた後の残りの日数)が所定給付日数の3分の1以上あり、一定の要件に該当する場合に支給される給付のこと。

引用元:https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001129215.pdf

再就職手当は失業給付金とは異なるものとなり、要件もかなり詳細に決められています。
再就職手当の支給を受けたいと思う方は、下記の要件を満たしているか確認してください

  1. 受給手続き後、7日間の待機期間満了後に就職・事業を開始する
  2. 就職日の前日までに失業認定を受け、基本手当の支給残日数が、所定給付日数の1/3以上あること
  3. 離職した前の事業主に再就職したものではないこと
  4. 受給資格に係る離職理由により給付制限がある人は、求職の申し込みから待機期間満了後1ヶ月の期間内は、ハローワークまたは職業紹介事業所の紹介によって就職したものであること
  5. 1年以上の勤務が確実であること
  6. 雇用保険の被保険者になっていること
  7. 過去3年以内の就職について、再就職手当または常用就職支度手当の支給を受けたことがないこと
  8. 受給資格決定前から内定が決定していた事業主に雇用されたものではないこと

再就職手当を申請するには「再就職手当支給申請書」をハローワークかダウンロードで取得する必要があります。

教育訓練給付制度

教育訓練給付制度は前述した2つの制度とは異なり、教育訓練を修了した方の受講費用の一部を支給する「キャリア形成の支援」を目的とした制度です。
教育訓練は「専門実践教育訓練」「特定一般教育訓練」「一般教育訓練」の3種類に分けられます。
受給可能な金額や上限が異なりますが、最大で受講費用の70%が給付される制度です
転職の際に強みやスキルの面で不安を感じる方は、こういった制度を利用して強みを磨いていくのも良いでしょう。

転職希望者から実際にあった質問への回答

転職希望者から実際にあった質問への回答

これまで転職の進め方についてご紹介してきましたが、不安を全て解消できたという方は少ないと思います。
転職の不安というのは、環境の変化、金銭面、転職活動の仕方が分からないという様々なものが入り混じったもので、すぐに解消できるものではありません。
実際に、弊社のエージェントにも多くの相談が寄せられており、不安にどう向き合えばよいのか分からないという方は非常に多いです
ここでは、エージェントに寄せられた相談とその回答を紹介します。
今回紹介すること以外で質問や相談したい内容があれば、是非、エージェントにご相談ください。

競合他社に転職したらダメって本当ですか

日本国憲法において「職業選択の自由」に基づいて自由に転職をすることが可能です。
しかし、会社によっては「競業避止義務」を定めているケースがあり、競合他社への転職が制限される可能性があります
そのため、社内規定に「競業避止義務」という項目があるか、誓約書にサインしている方は注意が必要です。
この規定に違反をしてしまうと、損害賠償請求される可能性もあります。

働きながら転職活動をするコツってありますか

働きながら転職活動をする方の割合は多く、70%を超えると言われています。
しかし、働きながら転職活動をすると「忙しくて転職活動が進められない」や「面接日の日程調整が難しい」といった問題に直面する方も多いです。
コツとしては、目標となる転職希望時期を決め、有給休暇を上手に活用すると、転職活動をスムーズに進めることができます
働きながら転職活動をする方法についての詳細は、下記の記事で詳しく書いていますのでこちらを参考にしてください。

転職までにかかる期間はどれくらいですか

転職までにかかる期間は一般的に3ヶ月〜5ヶ月ほどです
働きながら転職活動をする場合と、辞めてから転職活動をする場合によって多少前後しますが、およそこれくらいかかると想定しておいてください。
内訳としては、一社に応募して内定獲得までが1ヶ月。
実際に内定を獲得するまでの求人応募の数が8〜10社で、同時に応募できる会社の数は2〜3社。
このことから大体3〜5ヶ月ほどになる計算です。
ただし、これは内定獲得までの期間であるため、引き継ぎや退職手続きを考えるとさらに1〜3ヶ月かかるケースもあります。

転職の流れで不安な方はご相談ください

転職自体は「求人に応募する」「面接する」「内定をもらう」というシンプルなものです。
しかし、多くの方は転職活動を複雑に考えてしまい、それらを全て解決してからではないと転職に進めないという状態になってしまっています
このような状態の方は、一度、転職エージェントに相談をしてみるのがオススメです。
転職は相談できる相手もおらず、やり方を調べるのも実践するのもご自身のため、非常に多くのストレスがかかります。
そんな時に気軽に相談できる相手がいると、不安やストレスを抑えることができると思いませんか。
転職の不安やストレスをお一人で抱え込んでいる方は、是非、転職エージェントに相談をしてください。

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