
1年未満の転職はNG?短期退職のリスクと成功させる秘訣を解説
入社後に社風や人間関係が合わず、転職を検討するケースがあります。
ただし、入社して1年未満だと、転職できないのではないかと不安に思う部分もあるでしょう。
本記事では、1年未満で転職をする際の注意点と、成功のためのポイントを解説します。
短期の転職は不利ですが、転職方法さえしっかりと抑えておけば転職は難しくありません。
この記事を参考に、1年未満の転職を成功させましょう。
入社して1年で転職をしても良いのかどうか
企業に入社をした後、「思っていたのと違う」と入社前とのギャップを感じる方は少なくありません。
ただし、1年も経たない内に転職をするのを躊躇ってしまう人は多いのではないでしょうか。
日本には「石の上にも3年」という言葉があり、環境を頻繁に変更するのはあまり良い印象は与えません。
そのため、採用担当者によってはマイナスな印象を持たれる可能性があるということを覚えておきましょう。
1年未満の転職は理由によってはマイナスな印象を持たれる
短期退職は一般的にマイナスな印象を持たれてしまいますが、転職理由がポジティブな理由であればマイナスな印象は持たれにくいです。
退職理由の言い換え候補を表にまとめたので、参考にしてください。
退職理由 | 言い換え例 |
---|---|
社内の人間関係が悪かった | ・周りと連携して仕事を進めたい ・意思疎通を取り、気持ちよく働きたい |
社長のワンマンが厳しかった | ・自分の意見やアイディアを活かした仕事をしたい ・自分のキャリアプランに合った働き方をしたい ・会社と同じ方向性で仕事がしたい |
ノルマがきつい | ・顧客と長く信頼関係を築いていきたい ・一件一件丁寧にやり取りしていきたい |
残業が多すぎた | ・効率的な仕事をして成果を上げたい ・メリハリを持って業務に取り組みたい ・成果を正当に評価をしてほしい |
自社サービスに魅力が感じられない | ・自信を持って商品やサービスを売りたい ・営業の仕事で実績を上げたい、スキルアップしたい |
給与が安すぎた | ・実績を会社に認めてほしい ・努力や実績を正当に評価していただける会社で働きたい |
ワークライフバランスが取れない | ・オンオフをハッキリとさせて仕事に集中したい ・勉強やスキルアップの時間がほしい ・効率的な仕事をして、成果をあげたい |
採用担当者は「また同じ理由で辞めてしまうのではないか」という心配をしています。
そのため、転職理由をそのまま話すのではなく、ポジティブな表現に言い換えて話すようにしましょう。
職場が合わないと感じたら無理に続ける必要はない
職場の人間関係や社風が合わない状態で働き続けてしまうと、今後のキャリアに影響が出てしまうかもしれません。
特に以下のケースに当てはまる人は、転職を検討してください。
- パワハラやセクハラが横行している
- 労働環境が過酷
- 会社の雰囲気が合わない
- 応募内容と仕事が異なっていた
上記のような環境で無理に働き続けると心身を壊してしまう可能性があります。
将来のために頑張るという道もありますが、無理は禁物です。
自分自身のキャリアや健康を優先し、適切な判断を行うようにしましょう。
転職を繰り返しても転職で不利にはなりにくい
転職を繰り返すことは、多様な職場環境を体験できたと捉えることができます。
近年では知人や友人を紹介する「リファラル採用」が増えていることからも、転職を繰り返して知り合いを増やすのも転職を成功させる1つの方法です。
ただし、転職を繰り返していると、採用担当者によっては「忍耐力がない」と「仕事をやり切っていない」と思われるかもしれません。
その際は、「与えられた仕事はやりきった」と伝え、転職先の企業でどれだけ実績をあげたいかを具体的に伝えるようにしましょう。
採用担当者に、転職を繰り返している理由はキャリアアップのためであり、仕事を途中で投げ出している訳ではないと伝えることができれば、マイナスな評価はされにくくなります。
職場を1年未満で転職した人の割合

転職者がどれくらいの勤続期間で転職をしているのかを、勤続期間別に表でまとめました。
前職の勤続期間 | 割合 |
6ヶ月未満 | 7.8% |
6ヶ月以上1年未満 | 9.9% |
1年以上2年未満 | 17.1% |
2年以上5年未満 | 26.9% |
5年以上10年未満 | 17.7% |
10年以上 | 19.7% |
こちらは厚生労働省が令和2年度に公表をしたデータです。
このデータによると1年未満で転職をした人の割合は17.7%となり、全体の中で約2割程度いることが分かります。
この数字は決して少ない数字ではありません。
今の職場で働き続けるのが難しい場合は、1年未満であっても転職を視野に入れてみても良いのではないでしょうか。
1年間の転職者数は約325万人
日本国内の転職者数は増減を繰り返しており、2023年の転職者数は約325万人を記録しました。
この中の約2割が早期退職をしていることになりますので、単純計算で約60万人が1年未満で転職をしていることになります。
なぜ、これほどの人数が短期退職をしているのでしょうか。
次は各年代別にその退職理由と全体の中の割合を見ていきます。
各年代別の離職率と離職理由

転職をする人はどのような理由で前職を退職しているのでしょうか。
令和4年度に厚生労働省が公表した「雇用動向調査」を元に、各年代ごとの退職理由と離職率を見ていきます。
20代の中途採用者の離職率と離職理由
まずは20代の離職率を見ていきましょう。
年代 | 男性の割合 | 女性の割合 |
20代前半 | 24.2% | 26.9% |
20代後半 | 19.6% | 19.2% |
20代では約4人〜5人に1人が離職をしている結果となりました。
他の年齢層と比較しても離職率が高く、20代で仕事を辞めて転職をしようと考えることは珍しいことではないことが分かります。
次に、前の職場を退職した理由を見ていきましょう。
- 労働条件が悪かった
- 職場の人間関係が好ましく無かった
- 給料等収入が少なかった
- 仕事の内容に興味を持てなかった
20代の退職理由として多かったのが「労働条件」と「給料」でした。
仕事以外のプライベートな時間を確保したい方が多く、労働条件が悪いというのは転職理由に十分になり得ると思います。
20代の内にやりたい仕事や自分の強みを見つけたい方は転職エージェントに相談をしてください。
30代の中途採用者の離職率と離職理由
次に30代の離職率を見ていきます。
年代 | 男性の割合 | 女性の割合 |
30代前半 | 12.8% | 15.8% |
30代後半 | 9.0% | 12.1% |
20代と比べて割合が減少し、10%程度の離職率となりました。
続いて退職をした理由を見ていきます。
- 労働条件が悪かった
- 会社の将来が不安だった
- 給与等収入が不安だった
- 仕事の内容に興味が持てなかった
30代は「このまま働き続けてよいのか」と会社の将来を不安視する方が20代と比べて多いです。
すでに家庭を持っている方が多い年代ですので、給与面や将来性が転職の動機になっていると考えられます。
30代は即戦力として採用されるため、企業が求めるスキルをいかにアピールできるかが重要です。
40代の中途採用者の離職率と離職理由
最後に40代の離職率を見ていきましょう。
年代 | 男性の割合 | 女性の割合 |
40代前半 | 7.4% | 10.6% |
40代後半 | 6.4% | 11.1% |
男性の離職率は10%を切り、女性は40代前半よりも後半の方が多くなるという結果となりました。
全体を通して女性の離職率が多いのは、結婚や出産などのライフイベントの影響や非正規雇用の割合が多いことが理由だと考えられます。
次に退職をした理由を見ていきましょう。
- 職場の人間関係が好ましくなかった
- 会社の将来が不安だった
- 能力・個性・資格を生かせなかった
- 労働条件が悪かった
40代は会社の将来性を不安視する方やキャリアアップの機会を求めている方が多い傾向があります。
一方で給与面が理由で退職する人は少なく、「働きやすさ」を重視した転職が多かったです。
転職の際には必要な書類や手続きがあるため、転職を考えている方は以下の記事を参考にしてください。
1年未満の転職を成功させるポイント

1年未満の退職は「早く辞めたい」という気持ちが先行してしまい、転職をしてもミスマッチを起こしてしまう可能性が高いです。
早く転職をしたいと思っているからこそ、慎重に転職活動を進めなければなりません。
これから紹介する成功させるポイントを参考に、転職の成功率をあげていきましょう。
働きながら転職活動を行う
辞めてから転職活動を行うメリットは、ゆっくりと落ち着いて転職活動ができる点です。
一方で、企業からの収入が無くなってしまうため、金銭的な余裕がなくなってしまう可能性があります。
金銭的に余裕が無くなると、早く転職先を見つけようと焦ってしまい、ミスマッチを起こしてしまうかもしれません。
仕事と転職活動を両立するのは難しいという方は、働きながら転職活動を行うコツを解説しているので、こちらを参考にしてください。
自己分析を徹底する
自己分析は定期的に行うことをオススメします。
企業に務めたことで強みや弱みがよりハッキリし、以前とはまた異なった強みや弱みを見つけることができるかもしれません。
また、友人や家族などの周囲の人に自分の印象を聞き、客観的に分析をするとより深く分析をすることができます。
定期的に自己分析を行い、自分自身の変化や成長を明確にしていきましょう。
業界や職種などに関する情報収集を十分に行う
志望する企業のほかに、業界や職種に関する情報を徹底的に調べておきましょう。
採用担当者によっては踏み込んだ質問や、業界の動向を踏まえた企業の展望などを質問してくるケースがあります。
その際に、しっかりと受け答えすることができれば、リサーチ力や転職に対する熱意をアピールすることが可能です。
また、調べていく内により適した業界や職種を見つけることもあります。
キャリアアップだけではなく、キャリアチェンジも視野にいれた情報収集を行い、転職の成功率を高めていきましょう。
面接で前職の批判などは避ける
面接で絶対に行ってはいけないことは、前職の批判をすることです。
転職の面接では「退職理由」を聞かれる確率はかなり高く、採用担当者はあなたが同じ理由で退職をしてしまうのではないかと心配をしています。
そこで、前職の批判や不満を話してしまうと「この人は他責思考だ」と思われるかもしれません。
前述したポジティブな言い換えの表を参考に、退職の理由を話すときは、なるべくポジティブな表現に言い換えましょう。
転職エージェントを活用する
1年未満の転職を成功させるためには、効率的に転職活動を行う必要があります。
そこで、転職エージェントを活用して企業情報などをより詳しく調べるのも1つの手です。
特に転職でミスマッチをしてしまい、再度転職をしようと考えている人は転職エージェントの活用をしてみてください。
転職エージェントはあなたに合った求人を紹介するだけでなく、転職に関する無料相談も行っています。
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まとめ
1年未満での転職は難しいですが、しっかりと対策を行えば転職を成功させることができます。
しかし、転職を繰り返すとマイナス評価を受けてしまう可能性があるので注意が必要です。
転職理由をポジティブに言い換え、採用担当者に転職の意図と熱意を伝えることができれば、1年未満の転職であっても成功することができるでしょう。